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皆さま、こんにちは!
「さあ、新しい取り組みを始めましょう!」
事務所でそう言えば、拍手が起こる
資料もキレイに整い、導入予定日も決まる。
…が、それが本船に伝わったそのとき、返ってきた言葉はこうだ。
「……で、それって誰がやるんですか?」
船会社あるあるです。
新しいことを始めようとすると、必ず“温度差”が生まれる。
とくに「船側(現場)」と「陸上側(事務・管理)」では、見ている風景がまったく違う。
でも、それは避けられないものではなく、「ならしていくもの」です。
今回はそんな“温度差”との上手な付き合い方について、ちょっとユーモアを交えつつ、真面目に考えてみましょう。
陸側は、全体最適を考えて新しい制度や仕組みを導入しようとします。
一方、船側は「それがこの天気、この積荷、このタイミングで本当にできるのか?」を見ています。
どちらも正しい。
でも、“今ここ”と“全体最適”は、必ずしも一致しない。
船の視界は「実際に揺れてる甲板」であり、
陸の視界は「全体航路のマップ」なんです。
新システム、新記録簿、新アプリ。
どれも「便利になりますよ!」という触れ込みで始まります。
でも現場は、こう思っています:
「説明が長い」
「Wi-Fi遅いのにアプリなんて無理」
「紙が減るどころか増えた気がする…」
“改善”という言葉には魔法のような響きがありますが、**それを運ぶのは結局“人間の手”と“時間”**です。
エンジンだって急に動かせば壊れます。
人も同じ。
だから、新しいことは“試運転”が必要です。
まずは小さく試す
その結果を聞く
現場の声を反映する
「これがあると10分早く寝られる」といった“現場ベネフィット”で伝える
「便利です」じゃなく、「楽になります」が刺さるのが船です。
温度差をなくす魔法の言葉はありません。
でも、魔法に近いのが「一緒に考えた」「一緒に決めた」という空気です。
若手陸上スタッフが船に1週間“現場留学”する
船員がアイデアを出し、改善提案として取り上げられる
船と陸の合同ミーティングで、実例をベースにした“成功体験”を共有する
その積み重ねが、「ああ、これは誰かの命令じゃなく、自分たちの会社の話なんだ」と思わせる。
新しいことに“温度差”が生まれるのは、当然です。
問題なのは、それを見て見ぬふりすること。
必要なのは、温度を感じてから、どう温めるか。
エンジンも冷えたままじゃ動きません。
人の気持ちも、同じです。
船と陸、見ている視点が違っても、向かっている目的地は同じ。
「安全・効率・持続可能な運航」のために、
どちらかが我慢するのではなく、一緒に温まっていくプロセスが大切です。
新しい波を起こすなら、みんなが乗れる船にしよう。
今日も安全航海で!
株式会社シーステージ
スタッフ一同