オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2025年12月19日

今日も無事に帰るために 〜船の神棚のはなし〜

皆さま、こんにちは!

 

船の豆知識 〜なぜ船には神棚があるの?〜

船に乗ると、操舵室や船内の高い位置に、
小さな神棚が置かれていることがあります。

「船に神棚?」
初めて見る方は、少し意外に感じるかもしれません。
ですが実は、船には必ずと言っていいほど神棚がありますbikkuri02.gif
これは昔から今まで、長く受け継がれてきた船乗りの文化のひとつですenpitu02.gif

そもそも海の仕事は、
天候・波・風・潮流など、
人の力ではどうにもならない自然と常に向き合う仕事ですf01.gif

どれだけ技術が進歩しても、
どれだけ経験を積んでも、
「絶対に安全」と言い切れる航海はありません。

だから船乗りたちは昔から、
航海の安全、乗組員の無事、
そして荷物を無事に届けることを願い、
神様に手を合わせてきました。

神棚は、
「何か特別な儀式をする場所」ではなく、
日々の航海を無事に続けるための“心の拠り所”

出港前に一礼する人もいれば、
荒天を越えたあと、
無意識のうちに目を向ける人もいます。

また、船の神棚は一年に一度、神社でお祓いを受けたり、
新造船やドック明けの際に
改めて神様をお迎えすることもあります。

そこには、
「船は人が動かすものだけれど、海は自然のもの」
という、船乗りならではの考え方があります。

最近では、GPSやレーダー、AISなど、
航海を支える機器はどんどん進化していますkira01.gif

それでも船の神棚がなくならないのは、
安全は機械だけでは守れないということを、
現場の船乗りたちがよく知っているからかもしれません。

神棚があるから安全、ではなく、
神棚があることで
「今日も気を抜かずに航海しよう」
と、自然と背筋が伸びる。

そんな存在が、船にとっての神棚なのだと思います。

もし港で船を見る機会があれば、操舵室の隅や、少し高い場所を
そっと見上げてみてください。

そこには、
長い年月をかけて受け継がれてきた
 船乗りたちの想いと祈り
が、今も変わらず置かれています。

株式会社シーステージ
スタッフ一同